堺駅すぐの飲み屋街に店を構える居酒屋。
店主の佐野隆さんは、料亭など20年間勤めて料理の腕を磨いてきた。そんな店主が作る料理の数々は、出汁から調味料、一つ一つの具材に至るまでほぼすべてが手作り。特にオススメは天然にこだわって市場に仕入れに行くという魚料理。種類や部位それぞれに合う調理方法で、毎日仕入れによってメニューを考えて作っている。
刺身に合わせる醤油も店独自の配合で作っていて、ここの常連さんが他所で刺身を食べた時に「何か違うな」と感じるのだとか。
店主夫婦は揃って沖縄好きとのことで、沖縄料理の取り揃えも豊富。
特にオススメは「手作りジーマミー豆腐」。作るのに2日かかるという手間隙かけた一品で、それゆえに、3日前には予約必須。市販のものでは味わえないコクと甘みから、予約してでも食べたいというリピーターが多いのだとか。
沖縄料理に合わせて泡盛の種類も多く、その数なんと40種類。沖縄の泡盛酒造に携わる全蔵のものを揃えているため、沖縄出身のお客さんからは「自分の地元の泡盛が飲める!」と好評なのだそう。
出汁は鰹節を削る作業から始めるという、そのこだわりは割烹出身の店主ならでは。そんな美味しい出汁が存分に味わえるオリジナルメニューの「具なし焼きそば」も人気。あっさり食べられるので、飲んだあとにもぴったりだ。通常400円のところ、1日5食限定で200円になるという嬉しい計らいも。
他にも、ベーコンや生ハム、ツナサラダのツナも自家製、「牡蠣のゆず味噌焼き」に使う味噌を手作りするだけでなく、焼くための朴葉(ほおば)も山に取りに行くというこだわりっぷり。とにかく手作りにこだわったメニューの数々。どれも間違いない美味しさなので、メニュー選びに迷った時は、店主にオススメを相談してみるのもいいだろう。
店内で一際目立つのは、入り口前の水槽たち。店主の趣味で育てている卵生メダカで、珍しい種類なので来店したお客さんと話が弾むこともあるそうだ。
夫婦2人で厨房に立ち、調理を担当するメニューがそれぞれあるのだとか。阿吽の呼吸で、時には常連さんに手助けをもらいながら切り盛りしているのは、お客さんに愛される店の証。新しい食材を見つけた時も、「どんな食べ方が美味しいかな?」と2人で相談してメニューを決めることもあるとのこと。
「ここにきたら『おまかせで』と言ってもらって、美味しいものを提供できるのが理想です」
職人気質な店主のアラカルトをぜひ味わって。