創業70年、3代つづく和食割烹。
戦後間もなく「天ぷら秀」として開業。
天ぷらが高級品だったころ、現在の3代目店主の祖母が始めたお店だ。
当時は芸妓さんや三味線弾きの方が来て、2階座敷で賑やかな宴席がひらかれていたそう。
そんな趣が残る店内で、お昼は定食、夜は一品やコースをいただける。
お昼は「天丼」「天ぷら定食」「お造り定食」などがリーズナブルにいただけて、
メインが2品・小鉢2品・赤だしの「ぜいたくセット」も人気だという。
メインが日替わりの「おまかせ定食」では、あら炊きが出てくることもあり、夜の営業時間と変わらない美味しいメニューがいただける。
近くで働く会社員や、近所の方にとってランチで重宝する一軒だ。
夜は予約すると、懐石料理や鍋のコースがいただけて、てっちりが特に人気。
一品メニューもあるので、目の前で揚げてくれる天ぷらを楽しみながら、カウンターで一人飲みできるのもありがたい。
お腹の具合や好みに合わせてメニューを提案することもあるという、
しっかりとした割烹料理屋さんで、長年通う常連さんや1年に1度は必ず訪れるという方など、
老舗ならではのお客さんに愛されている。
インタビューに答えてくれたのは女将の中上愛さん。
素敵な和装がお似合いで、お店の雰囲気に合わせて、
そしてなにより自身が着物好きで着ているのだとか。
「和食の美味しさをしっかり味わってほしい」と中上さん。
お客さんに「定食の赤だしが美味しい。これはどこのお味噌を使っているんですか?」と聞かれたことがあるそうだが、赤だしでこだわっているのは、むしろ「出汁」だという。
お昼の定食についている小鉢や赤だしも、コースの寄せ鍋も、出汁が決め手。
出汁の旨みをしっかり感じられる、丁寧な和食をぜひ味わってほしい。