--> つるや楽器 - 堺ゴールデンゾーン-古いとこも新しいとこも面白い-

お店紹介

和楽器店

つるや楽器

三味線発祥の地、堺で伝統楽器を守り継承する和楽器店

創業は文久2年(1862年)、三味線と琴の製造・販売・修理を行う和楽器店。
5代目店主である石村隆一さんに三味線の歴史を聞くと、16世紀後半に貿易で堺の地には外国からたくさんのものが入ってきていて、琉球から持ち帰られた三線が改良されて三味線が生まれたのだという。日本固有の伝統楽器でありながら、使われる材料のほとんどがインドやタイといった外国のものであることや、3つのパーツに分解して持ち運ぶことができることなど、初耳な三味線話を興味深く聞かせてもらった。
かつてはこの辺りにも演芸ホールがあったり、花街があって芸妓さんたちが料亭で演奏していたりしていた。そうやって三味線文化が育ち、さらに関東大震災で東京から人間国宝の三味線奏者が移り住んで教室を開くなどしてさらに栄えていったのだとか。

こちらではワンコインレッスンも実施していて、担当するのは6代目の石村真一朗さん。「彼の方がうんと上手いですから」とお父さんからバトンタッチ。
「もともと学生時代から音楽をやっていて、別に跡を継げとは言われてないけど、自分の好きなものを仕事にできるんやったらってここで働くようになって」と話す真一朗さん。津軽三味線を演奏していただいたところ、間近で響くその迫力に圧倒された。
レッスンでは「さくらさくら」の譜面を見ながら、三味線の持ち方、バチの握り方から丁寧に教えていただいた。言われた通りに弦をはじいてみると、よく知った三味線の音を自分が鳴らすことができてなんとも嬉しい。
通常は休憩を挟みながら1時間半ほどかけて体験を実施し、ほとんどの人はその間に課題曲を通して弾けるようになるのだとか。

「一度、熊本から旅行で来た人がレッスンに来たことも。そのあとその人がお三味線くださいっていって、今年に入って一本売れたなぁ」と5代目。気軽に体験できる場所は少ないため、三味線に興味を持っているがどこで触れることができるかわからないという方が訪れるのだという。どんな音楽をやりたいか、どんな曲をやりたいかを聞いて、それなら津軽三味線か長唄三味線か、などと相談にも応じてくれるというから頼もしい。
さらに、現在は大阪市内の高校の授業でも三味線を教えているそうで、三味線人口を増やすことに尽力している。
「巷に眠ってる三味線も結構あって、今ならネットなど手にいれる方法はいろいろある。皮を張り替えたら今でも使えますからね。興味が湧いたらぜひこの魅力に触れてほしい」と話すお2人。
堺で生まれた日本の伝統楽器の三味線。関心を持つ人たちへの扉は広く開かれている。

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