
大小路駅すぐにある、焼肉と創作鍋の店。
ホテルで修行を重ねたシェフの料理は、鍋の出汁から焼肉のタレまでこだわりの品が揃う。
以前は大阪・ミナミで8つも店舗展開をしていたという店長の東泰久さん。そのバイタリティの源についてたずねると「小さい頃にテレビで見て『かっこいい』と感じたのがきっかけやな」という答えが返ってきた。
テレビに料理が映ると、画面越しからでも伝わる“美味しいもの”に対して「なんやこれ!」と驚いていたという東さん。見よう見まねで料理を作ってみたが、テレビで見たものとのギャップにモヤモヤしていたそう。“美味しいもの”を作りたいという気持ちが、日に日に大きくなっていった東さんは、料理人の道を歩ことを決意。有名ホテルやフランス料理店で修行を積み、ようやく自分の店をひらけるまでになった。
ミナミで店舗展開をしていた東さんが堺に土地を移したのは、もともと同じ場所にあった店のオーナーが東さんの店のお客さんだったから。
そのオーナーが店を閉めることになり、東さんに声をかけてここを譲ったという経緯だった。当初は誰ひとり堺に知り合いはいなかったが、立地が気に入ってこちらに移ってきたのだそう。
「ミナミだと1回きりのお客さんが多かったから、堺に来て、何度も足を運んでくれるお客さんが多くて驚いたわ」と東さん。
仲間意識のあるこの街をとても気に入り、お客さんの中には”超常連さん”もいるのだそう。
窓際には一升瓶のキープボトルがずらり。焼肉屋で焼酎や一升瓶のキープが多いのは珍しい。
他にも「てんやわん家」オリジナルのボトルもどっしりと肩を並べていた。
普通の焼肉店より値段が安い理由は仕入れ方法にこだわっているから。肉は、東さん自身の足で買いに行き、バラやロースは半頭買いで仕入れているそう。
「安くて美味しいもののほうが、僕が食べに行く時に嬉しいと思った」と、価格設定のワケは単純明快だった。
東さんの確かな目利きで選んだ間違いない肉質と、特製ダレが人気の秘密だ。
様々な店舗展開をされてきた東さん。これからの展望をたずねると、「この店に腰を据えてやりたい」とのこと。
「堺は面白い街で、同業者のお友達も多く常連さんも楽しい人が多い」と堺への愛情たっぷりに話してくれた。
そんな堺愛がお客さんに伝わったのか、金曜や土曜の夜はお客でいっぱいになるそう。
常連さんはそれを知って、予約をしてからくることも。気になる人はぜひ一度来店を。