
オープンしたのは2010年。
「スナックでもなく立ち飲みでもない、変わったお店なんですけど…お客さんが『ちょっとバー』っていうあだ名をつけてくれました」と、ママさん。
コンクリートの壁に、赤いサインとライトが灯る落ち着いた外観で、入り口は少し奥まったところにある。
目立ちすぎない隠れ家的な雰囲気は、訪れる人にとって居心地が良さそうだ。
お酒は焼酎、ウイスキー、日本酒、ワインなど一通り揃っていて、シャンパンも置いている。
日本酒は時期ごとにラインナップが変化し、ドリンク類はすべて合わせると60~70種類。
好みに合わせてさまざまなお酒が楽しめる。
実はママさんはお酒が飲めないそうで、お客さんのニーズに応えられるようにと、お酒のラインナップは何軒かの酒屋さんと相談しながらセレクトしているという。
手作り料理を楽しみに訪れるお客さんも多く、フードメニューが書かれた黒板のトップに掲げられているのは「特製ビーフカレー」。
アテとして楽しめるようにちょうど良い量で、ナンが添えられている。
ビーフカレーをつまみにお酒を飲むというのが、こちらの定番になっているのだ。
そのほかにも、ローストビーフや牛タンウインナーなどの洋風のものから、するめやえいひれなどのおつまみもあり、お酒に合わせてフードもバラエティ豊かな取り揃えになっている。
営業時間は17時半から22時半まで。
食事前の1軒目に来て1杯だけ飲んでいく方もいれば、2軒目、3軒目使いするお客さんも。
男性のお客さんが多いが、ひとり時間を楽しむ女性も訪れる。
お店で出会った人同士が友達になっていく様子を見るのも、ママさんの楽しみだ。
もともとは小学生だった娘さんと少しでも長くいられる時間をつくりながら働くには……と考えた結果が、このお店だったそう。
飲み屋さんなどで働いた経験もなく、オープン当初は自分がイメージしていたお店づくりができなかったことから、1年目にやめようと思ったこともあったという。しかし、当時のお客さんが「みんな協力するから、もうちょっと頑張りなさい」と声をかけてくれたのだとか。
自身のペースで1年、3年、10年とお店を切り盛りしてきて、いまでは14年。
「ここまで続けてこられたのはお客様のおかげ」と話してくれた。
落ち着いた雰囲気で、美味しい料理と楽しいお酒が飲みたい人は、ぜひ立ち寄ってほしいお店だ。