堺東の商店街にある4代続く理髪店。
4代目である北島義弘さんに代替わりして10数年、理髪店が減っている中で41歳の店主は若手で、初めてやってきたお客さんに「あれ、若いなぁ。にーちゃんできるんか?」という反応をされることも。
それでも修行に行っていた店が厳しかった経験から、どんなお客さんでも臆さないのだという。
「この仕事していると面白くて飽きない。いろんな人と話すし。根っからの大阪人、喋んなとかできへん」と明るく話す。
常連さんも当然多いが、人通りの多い場所柄か飛び込みでやってくるお客さんも少なくない。
他店で切ったものの今いち納得できなかった人、年齢を重ねて美容室から鞍替えする人、メンズグルーミングといって男性身だしなみケアが浸透してきたため顔剃りにやってくる若い人……
北島さんの信念は「来てもらった人に120%できることは精一杯何でもする」
その結果、新規のお客さんがまた来てくれることも多い。
カットの技術はもちろん、流行も勉強も大切で「黙って座ってても仕上がるのが散髪屋さんなんですよ。実際に来て『短くして!』っていうだけの人もいる。
3ヶ月に1回の人の『短く』と1ヶ月に1回の人の『短く』それを聞いてカットしないといけないし、その人が来店した時のセットも見て仕上げないと」と話す。
今後のことを聞いてみると「このご時世で先は見えへんから、毎日毎日一生懸命やっていくだけです。堺東の人がふらっとこれるところになるのが理想」とのこと。
ショップカードに書かれた営業時間は「サインポールが消えるまで」
お客さんの希望の全力で答える北島さんの人柄が現れているように思えた。