堺東駅前で、本格江戸前寿司を堪能できるのがこちら。
長くやっていたお店を、現在のオーナーの岡田貴洋さんが2019年に引き継いだ。
岡田さんはもともとベテランの魚屋さん。寿司幹にも魚を販売していて、その縁あってこのお店を引き継いだのだという。
昔からの常連さんも多く通い、キープボトルがずらりと並ぶ落ち着いたお寿司屋さんだ。
ネタに塩をふったり、煮たり味をつけたりという“仕事”をする『江戸前寿司』。それでも、「これは塩で食べてください」などの指示はあれこれしないのだという。なぜなら、お客さんの方が美味しい食べ方はわかっているからだとか。
お酒も同じで、お客さんがこれというものを用意する。「うちはこれしか置いてません、なんていうのはない」と柔軟に対応してくれる。
魚屋であるオーナー自らが仕入れてくるので、魚の鮮度や質には当然自信あり。
「自分がその日に食べたいな、と思ったものを仕入れるから、ええのが入ってくる」
そうやって仕入れられた魚を、店長の安田さんを初めとする職人たちがさばいて調理する。
店内に入って、すぐに目につくのは中央の大きな水槽。ただの生簀なのかと思ったらそうではない。
「こないだまで、飾りでサメの親子が入ってたで」「これは自分で釣ってきて、大きくなったら食べようと思ってるソイって魚」「ちょっと大きくなったよなぁ」と水槽を眺めながら話す、オーナーと店長の二人。
カワハギやアジ、貝類はちゃんと売り物で、注文してさばいてもらえるのでご安心あれ。
これからの展望については「2階を改装して別の店をやるのもいいし、店舗展開だってやったらいいと思う。何もせぇへんより、何かした方がええから」と野望を語るオーナー。一方、店長の安田さんは寿司だけではなく、すき焼きや他のメニューも開発していきたいのだそう。割烹出身の腕がなる。
歴史ある店の味を受け継ぎ、常連さんを大切にしながら次の展開を目指す2人。
特別な日に訪れたいと思える名店だ。