昭和42年、脱サラをして奥様と喫茶店を始めたというマスターの西出清次さん。
営業時間は朝9時から16時半までで、出勤前にコーヒーを飲みに立ち寄る方や、長く通われているお客さんが訪れている。
以前は朝食や定食なども出していたそうだが、現在は完全な純喫茶に。
もちろんオススメはコーヒーで、布で濾すネルドリップ式の挿れ方にこだわりを持っているそう。
「始めた頃は周りは平家の家ばっかりやったけど、何十年の間にみんな建て替えて背ぇ高くなっていった」と話す西出さん。
オープンした当初は「夜逃げしてすぐに出ていくわ」と周りに言われたこともあるそうだが、そんな言葉も跳ね除けて、今では50年以上続く老舗喫茶店になった。
長いお店の歴史の中で、お客さんとの思い出をうかがうと、仲良しの建築家の青年がよく来てくれてドアの調子が悪い時に見てくれていたこと、お店主催で常連さんたちとボウリング大会をしたこと、お客さんたちと琵琶湖までBBQに出かけたことなどを教えてくれた。
「お店に来てくれるお客さんを大切に。1日でもよく来てもらえるように」と、初めて来られた方とも常連さんともよくお話をしているそうだ。
年代を経ても魅力を感じる家具や内装、それに合わせたインテリア、壁に貼られたメニューの「愛す・コーヒ」の文字など、お店全体にマスターのこだわりと人柄が溢れているよう。
50代以上のお客さんが多いそうだが、そんな雰囲気に惹かれてか、最近は純喫茶好きの若い世代のお客さんが訪れることも。
この町を長く見つめてきたマスターとお店が歩んできた歴史を、ぜひ自慢のコーヒーと一緒に楽しんでほしい。