1967年創業、堺東きっての老舗飲み屋。
正午からオープンしていることもあり、昼飲みのお客さんもチラホラ。
厨房をぐるっと囲む、コの字型のカウンターでは、常連客がいつもの自分スタイルを楽しみ、一見客も膨大な数の手作り料理の中から気になった一品や美味しいお酒を堪能している。
「たたきごぼう」「だし巻」「どて」は、常連さんはもちろん、初めて来たお客さんにもオススメしている高砂定番の人気メニュー。84歳の店主、高岡正さんが自ら厨房に立ち調理をする。酢味噌や田楽に使う味噌など、調味料など何から何まで高岡さんのオリジナルだ。
冬の大人気メニュー「かす汁」は、登場を心待ちにするお客さんがたくさん。
寒くなってくると「かす汁ある?」と聞かれることが多いので、店に出す日には、おもてに張り紙を貼るのだとか。
実は高砂屋の入っているビルは、1棟丸ごと高岡さんが所有している。
以前はこの5階建のビルをすべて使って立ち飲み屋と割烹を営んでいたのだとか。
「昔は立ち飲みやってて、お客さんが入らん時は2列に重なって飲んでた。飲むとこがない場合は階段で飲んでたなぁ」と、かつての店の様子を語る店主。半身に構えたお客さんが重なる“ダークダックス”スタイルは、人が集まる立ち飲み屋ならでは。当時からこの店の人気っぷりがうかがえた。
「わしの生き様はこうや、と口だけでいうのは自由。実行に移すのが大切」と語る高岡さんは数々の商いに挑戦した勝負師。その活力や生き方に惹かれ、高岡さんと話しに来るお客さんも多くいるそう。
提供するサービスには厳しい反面、人情味あふれる温かい人柄で愛される店主。
お客さんはもちろん、スタッフからも絶大な人気を誇る。
長年やってきた店なだけあって、ベテランのお客さんが多いが、最近は若い人も増えたのだとか。
”堺東ツウ”を語るなら、高砂を知らなかったらモグリ……なんて声もあり、お客さんだけでなく、他の店の店主も「堺東で飲むなら高砂に行かなあかん」と言うほどだから、その支持率は本物だ。
「堺東といえばここ!」と言われる名店。ぜひ一度味わいに来て。