歴史は明治30年代に店主の曽祖父がはじめた箱屋から。
戦後から今と同じ場所で「青山精英舎」として経営されていたが、台風により建物がボロボロに。
事業自体は従兄弟が引き継いで続いているが、かねてより家業に関連した雑貨屋をやりたいと考えていた店主は、建て替えの際にその思いを実現させた。
「弔い(とむらい)」の4文字を大切にしているそうで「いつもここで汗水垂らして段ボール箱を作ってくれていた父や祖父、そしてその上の世代の姿を見てきました。
悲しい意味ではなく、こうして引き継いでいる姿を見せられたら」と話してくれた。
店舗に入ってまず目につくのは、絵を描いたりデザインが好きだったという店主のお父さんが描いた大きな大きな絵画。
その個性に圧倒されながらも、店内のいたるところに置かれた職人さんが作った箱作品にも釘付けになる。
さらに店内の什器もよく見ると、昔から使われている木で出来た長持や段ボールでつくられていて、そこかしこに興味を引くものが溢れている。
販売されている商品は、青山精英舎の箱作品以外にも、スケッチブックや便箋、大小さまざまな箱など、店主がこれまで出会って気に入ったものばかり。
こだわりを持ってセレクトされた紙と箱にまつわる商品が並び、暮らしの一部に加えたくなるような可愛らしいものがたくさん。
さらに、古き良き時代のスターが表紙を飾る『アサヒグラフ』など古い雑誌や、家具、装飾品がきれいな状態で残っていて、そんな品々に囲まれていると、気づけばお店の世界観に入り込んでいる。
「自分の趣味を追求していきたい」と併設されたカフェでは、店主の趣味である音楽を聴きながらコーヒーなどを楽しめる。
箱作品や古い雑誌を眺めながら、ゆっくりとした時間を過ごせるというのはこのお店独自の魅力だろう。
今後もいろいろな箱を作って提案していこうと考えているそうで、お客さんの「こんな箱が作りたい」という思いにも応えていきたいとのこと。
サイズや色などを相談してもらい、小ロットでの注文にも対応していく予定だ。
また、紙や箱を楽しんでもらえるようなワークショップも計画されているそう。
興味を持った方は、ぜひ一度を足を運んでみてほしい。