個室で季節ごとの味わいが楽しめる日本料理店。
店主は高麗橋の吉兆で4年間修行を積み、また別のお店でも4年間の修行、そして独立。
開口神社の前で小規模のお店をされたのちに現在の場所に移転。2023年でお店の歴史は17年になる。
生まれも育ちも堺だという店主。「独立するときは堺で」と思っていたそう。
ご両親も飲食店を営み、自分も食べることが好きだということから、自然とこの道に進むことになったのだとか。
料理を担当するのは店主ご自身と、20年以上の付き合いになるという吉兆時代の先輩でもある2人。
接客は店主のお母さんが女将さんとして対応している。
お店全体のチームワークを大切にされていて、スタッフも長く勤めている方が多いそうだ。
「一に素材、二に道具、三に腕。これは自分が料理をする上で大切にしていることです」と、店主。
提供される日本料理は、どれもこだわって選び抜かれた旬の食材を使ったものばかりだ。
「素材は必ず自分の目で確認して選んだものを提供したい。
1から10まで、納得のいくお料理でお客様に楽しんでいただきたいと思っています」と、魚も野菜も店主自身の目利きで仕入れている。
「いい加減なものは出したくない」料理人3人は、同じ思いで仕事をしているのだと話してくれた。
定番の人気メニューは「お吸い物の葛茶巾」で、たこ・いか・えびが入った、たこ焼き風の茶巾しぼりで、地方から来たお客さんには「やっぱり大阪やな」と喜ばれているそう。
鮎は店内で泳がせたものをその場で調理するため、臭みは一切なし。川魚が苦手な方でも、気に入る一皿になるのだとか。
また、お吸い物や焚き物の要となる出汁にも徹底的にこだわっているそう。
鰹節ではなく、まぐろのしび節を使っているという。ハモの骨を焼いたものを使うなど、季節ごとの味わいを楽しめる出汁も用意されている。
前日に昆布を寝かせて、朝から出汁を引く。使うのはもちろん、一番出汁のみ。
ここにも「自分が納得したものを提供したい」という思いが表れているのだ。
食事は2名からの受付。完全個室ということもあり、平日は接待での食事、土日祝日は結婚の顔合わせ、お誕生日祝いや法事など、慶事・法事での利用が多いそう。
飛び込みでの来店も可能だが、食材と仕入れにこだわっているため、基本的に人数分しか仕入れはしておらず、ほぼ予約のみの受け付けになっている。
「ここに来てよかったと言ってもらえたり、お帰りのときに『美味しかった』とお声がけいただけるととても嬉しいですね。
苦手な食材などお気軽におっしゃっていただきましたら変更ももちろん可能です。
一見、敷居が高そうに見えますが、ぜひお気軽にお問い合わせください」と話してくれた。
以前のお店からの常連さんや、結婚の顔合わせで利用して記念日ごとに来てくれるご夫婦もいるそう。
特別な日にぜひ利用したいお店だ。