元々は居酒屋ではなく、現在の店主の父親が魚屋を始めたのが創業のきっかけだという。
L字方のカウンターと大きめの掘りごたつの席に、いかにも昔ながらの大衆居酒屋の趣を感じる。
カウンター上には常時10品以上のおばんざいと新鮮な魚が並び、常連さんの中には「これとこれとこれ」と自分が気に入ったものを指を指して注文する人も。また、店主が味の好み知っている人には「これはどう?」と勧めるなど、店主とお客さんの信頼関係は厚い。
一番人気のメニューはお造り。毎日店主が市場まで足を運び、自らの目利きで新鮮で美味しいものを選んでいる。
ほかにも、ハマった人は毎回注文するという「牛のアキレス腱」も絶品。中には「信号焼き(卵焼きの中にネギと明太子を入れて巻いたもの)」など、メニュー名だけでは味の想像がつかないものも。
「どんなメニューかわからないものは、お客さんが『これ何?』って聞いてくるでしょ。初めて来た人もパッと目について尋ねてくれて、それでコミュニケーションが生まれるんです」
店主の茶目っ気と誠実さに、常連の証であるキープボトルの量が多いのも頷ける。
現在は昼と夜の2部制で営業中。昼は好きなおばんざいを2種類選べるランチセット(副菜・ご飯付き800円)が人気。昼にきた人が「食べたいおばんざいがある」と夜に再び来店することも。夜もおばんざい1品300円~400円ほどで「安い・美味しい・新鮮」なのが、居酒屋おやじの魅力。また、おばんざい9種盛りがセットになったテイクアウトも行っていて、家でも美味しいおばんざいが楽しめると好評だそうだ。
こだわりは料理だけではない。お酒は常時十数種類の焼酎があり、自らも飲みに行くのが好きだという店主が厳選した本数限定のものも。店主セレクトの焼酎は2、3ヶ月周期で入れ替わるほど人気で、温かみのある手書きのメニューが目をひいた。
店の奥に貼られたサインたちは、この店もロケ地として使われた、映画『嘘八百』のセットのもの。撮影が終わったあとも気に入って飾っているのだとか。
カウンター上に掲げられた「やっぱぁこの店、旨い店。酒に肴に心あり、心易さが居酒屋おやじの店の味」が創業当時からこの店のポリシー。ぜひ一度食べにきて。