2016年オープン。この場所を運営しているのは、堺出身の間宮菜々子さん。
堺旧市街地で育ち、就職で東京へ。一度離れたことで、地元の良さを再確認し
地元の人間だからこそわかる、堺の面白さや魅力を発信していきたいという思いからスタートした。
堺の古い価値のある建物が堺には存在するものの、
取り壊しが進んでいたり、活用されていなっかった。
だから古民家にこだわり、古い建物の価値を知ってもらうために、
この場所に決めたそうです。
堺で活躍するデザイナーや、まちづくりの活動をしている方と出会い、
その方々と一緒に2015年に「SAKAINOMA」立ち上げが始まったそうだ。
「SAKAINOMA」という名前の由来は、堺の時間・空間・行間を楽しんでもらいたいという考えから。
「目に見えてこない、ガイドブックには載らないような、自分たちが思う町にひそんだ魅力を感じてもらいたい」という思いが込められている。
堺で暮らしてきた市井の人々の生活文化を体験できる宿泊施設「SAKAINOMA HOTEL 熊」は、関西国際空港への利便性の高い立地もあり、国内の方はもちろん海外の方からも反響があったそう。
こじんまりとした部屋は庭とともに空間そのものを楽しめる作りで、堺のお米と味噌など地元食材を使った朝食も好評だ。
大阪で古民家をリノベーションしている施設が少ないことや、都会から少し離れた静かな環境、路面電車が走る趣ある町並みなど、多くの人が感じたこの場所の魅力は口コミで広まっているのだとか。
町家の前面に併設されたカフェ「SAKAINOMA cafe 熊」は宿泊者以外も利用でき、地元の食材を使ったメニューや堺名物のお菓子などを味わうことができる。
カフェのメニューは「堺の食文化を発信」というコンセプトで、菜々子さんと料理担当のスタッフで考えられている。
定番メニューはもちろん、季節ごとの食材や果物も。また、堺の銘菓である八百源の肉桂餅や、江戸時代から続く泉忠老舗の”最中の皮”を使ったアイスクリームなど、自由な発想で生み出されたアイデアあふれる豊富なメニューが楽しめる。
店内に飾られた装飾は3ヶ月ごとに入れ替わり、作家さんの作品を楽しめるというのもこの場所の面白さ。
堺の魅力をたくさんの人に届けるため、さまざまなテーマでのイベントを定期的に開催しているそう。
今後はこれまでのノウハウを提供して、古民家や古い建物をリノベーションしたい方をサポートしていきたいという菜々子さん。
古い文化や街並みを活かしながら残していけたらと考えているそうだ。
堺そのものを体験することができる場所に、ぜひ足を運んでみてほしい。