創業は1927年、現在の店主である春木淳一さんで3代目。
店内の一角には創業時の写真や家族の写真が飾られていて、歴史と温かみが感じられる町のパン屋さんだ。
定番のパンはもちろん、阪堺線のチンチン電車をモチーフにした『チン電パン』や美原区の古代米を使ったパンなど工夫をこらしたラインナップが並ぶ中で、春木さんが胸を張って販売しているのが『いちじくパン』
堺市で育てられた白いちじくに国産の大麦を合わせた、素材にこだわりぬいた看板商品だ。
美原区で生産された人気の高いいちじくを仕入れ、12時間乾燥させて少し蜜につけたものを生地に練り込む。
乾燥させたいちじくを一切れ食べさせていただいたところ、とてもジューシーでこれまで口にしたことのあるドライいちじくとは全く違っていた。
そんないちじくがふんだんに使われていて、どこを切ってもいちじくがちゃんと入っている。
「お金儲けよりも人と人」と話す春木さんは、地域の人たちとの繋がりを大切にして、その縁から人気の素材の仕入れを確保できるようになったのだという。
大麦を炊いてパンを練る際に入れ食感が残るようにして使っている。
現在も厳選した素材を使っているが、次の計画は大麦も堺ブランドにして、完全堺メイドのいちじくパンを作ることだという。
「値段は高く感じるかもしれないけど、絶対どこにもない商品って自慢できる。”真似し”嫌いやから、人と同じことせんと、どこにもないパンをうるのが最終目標」という。
しっかりと素材の味を堪能できるいちじくパン、ぜひ味わって欲しい。