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呉服商・和雑貨

河十呉服店

こだわりの仕入れにコーディネートの提案、お客さんに寄り添う老舗呉服店

「カタい着物ばっかり売ってたら嫌になってくる。遊び心とか洒落心って必要でしょ」
そう話す門田欣也さんは、142年続く河十呉服店の5代目。
明治維新をきっかけに、お侍だった一族は堺の地に移り住んで商いを始めた。
着物が普段着だった頃から時代は移り変わり、欣也さんが先代から引き継いだ時には、お茶を嗜んでいる人など「着物を知っている人」をターゲットに移行することにした。「知っている人」に売るからこそ、自信が目効きをして「ええ仕事してるな」というものを仕入れてくるのだという。

「この辺、貴重品ありますよ」と取り出したる反物や着物の数々。
ちょっと見かけないマニアックな柄の帯、女優さんがテレビで身に付けた洗練された浴衣、息を飲むほど豪華絢爛な手刺繍の留袖などが広げられる。
仕入れの9割は京都、あとは東京。お客さんの相談やリクエストに応じながら、「あの人はこれが好きそうやな」と顔が浮かぶことも。着物を作ってもらう時には、どこに着ていくのか、帯など持っているものを聞いて、予算の中でええもんをつくりましょうという提案をするのだという。
予算の相談、そしてコーディネートの相談にも乗りながら「河十さん、何とかしてよ」と言われると「何とかしましょか」となってしまい、安く売りすぎて問屋さんに呆れられることも。
「『安ぅ仕入れたら、お客さんに安ぅ出せ』って、これはもう代々家訓みたいなもんです」と軽快な口調で話す。

「お客さんが『買わされた』って思ったら次は来てもらえへん。納得して『ええ買いもんした』って思ってもらう」
着物は売って終わりではない。
反物から仕立てをして、出来上がったらメンテナンスもあり、どんな小物を合わせようかとコーディネートを考えて買い足していくものもある。そして次はどんな着物を買おうか……と続いていく。
さらに着物は次の世代へ引き継がれる。母親から着物を譲り受けるお客さんもいれば、自身の先代が売った着物を持ってくるお客さんもいるのだという。
「うちの子が店を継いでくれたら、同じように僕が売った着物を持ってくるお客さんがいて、その時に『お父さん、ええもん売ってるな』ってわかってもらえたら嬉しい。」そう話す5代目。
「若い人が着物を買うのはハードルが高いと思います。でも、例えばお母さんから譲り受けた時に、小物一式ものそのままやったら昭和の合わせ方になるでしょ。そうじゃなくて、令和のコーディネートをしましょうって提案したい。帯締めとか小物ひとつで雰囲気変わりますから」
これからも、自分で気に入ったものを仕入れて、いい商品をお客さんが買える範囲の値段で提供していきたいと話してくれた。
着物初心者も馴染みのある人も、ぜひ一度訪れてみてほしい。

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