
堺東の商店街の中にある、カウンター8席のみの居酒屋。
このこぢんまりした落ち着いた空間は、店主の串淳平さんの理想の店の形なのだそう。
ランチは主に天ぷら定食と、お造り定食の2種類。
地元、堺産の上神谷(にわだに)米を土鍋でふっくらと炊き上げたご飯は、定食の中で一番のおすすめポイント。
どの時間に来ても炊き立てを食べてもらえるようにと、1日4回炊き上げている。
その味は、男性はもちろん、女性でもおかわりする人がいるほどの美味しさだ。
お造りは毎日淳平さんが市場で目利きした新鮮な魚を仕入れ、その魚に合う調理法で作っている。定食のちゃわん蒸しには、鰹でとった出汁が使われており、「出汁が美味しい」とお客さんに好評。お惣菜は、淳平さんのお母さんがレシピを含めて全て自身で作ったもの。淳平さんとお母さん、厨房で肩を並べる2人のこだわりが、この1膳に込められている。
夜は魚と一品料理、そしてそれに合わせた日本酒がメインだ。
日本酒は、有名銘柄の中でもマニアックなものをあえて置くのだとか。
堺東の中でも、コアな部分を担当しているのが淳平さんのウリだ。
お客さんに「お酒はお任せで」と言われると、その人の食べている料理に合う、かつ今まで飲んだことのないジャンルを提案しているのだそう。例えば、ステーキに濁り酒の熱燗を出す。
甘いイメージのある濁り酒だが、この時に提案したものはキレがよく肉の油をスッキリさせてくれるもの。最初は「なぜこの組み合わせ?」とお客さんは不思議がるが、飲んでみて驚くそう。
そんな、日本酒の固定概念にとらわれないスタイルを提案してくれる。
ここに移転する前の店舗では、あまりお客さんと喋る機会がなかったという淳平さん。
「いろいろな話をするのが好きだから、理想はこれくらいのお店」と移転前から決めていたそう。
「対面で、自分がお客さんを見渡せて、みなさんと喋れる」それが叶えられたのが、今のカウンター8席の店だ。さらにこの広さは、定食の炊き立てご飯を全員に行き渡らせる、ちょうど良い広さなのだとか。
昼は土鍋で炊いた堺産の美味しいご飯を、夜はお造りと選りすぐりの日本酒を、ぜひ一度味わってほしい。